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特発性肺線維症について

  • 特発性肺線維症とは
  • どのような治療方法がありますか
  • 当院の取り組み

特発性肺線維症とは?

 特発性肺線維症は、肺胞(肺を構成しているやわらかい小さな袋)の壁に“傷”が起こり、その修復のために壁が厚くなる病気です。そのため咳が出たり、酸素がうまく取り込めなくなって息苦しくなります。傷が起こる原因はまだ分かっていません。特発性肺線維症は次第に進行し、肺が固くなって膨らみにくくなり、呼吸が維持できなくなる場合もあります。初めの頃は安定していても、ある時期から進行し始めることがあります。
 国の難病に指定され、一定の条件を満たせば医療費の補助などが受けられます。
当院では、現在、厚生労働省研究班の一員として、臨床治験を行っております。

どのような経過をたどるのですか?

 ステロイドや免疫抑制剤によるこれまでの治療では、効果が十分ではないといわれています。進行には個人差がありますが、数年の経過で呼吸不全になることが多いとされます。なお、風邪をひいたことをきっかけとなって1-2週間で急速に悪化すること(“急性増悪”と呼びます)があり、注意が必要です。また、特発性肺線維症では肺がんを合併する頻度が高く、特に喫煙をしている方は、病状が安定していても定期的な検査を受けることが必要です。

どのような検査が必要ですか?

 咳があったり、運動時に息苦しくなるような場合には呼吸器の病気が疑われます。胸部レントゲンなどで特発性肺線維症が疑われましたら、他の呼吸器の病気の可能性を除外するための検査を行って、特発性肺線維症の診断が下されます。

問診票での調査
家族歴、喫煙の有無、職業(粉塵の吸入の経験がないか)、住環境(ペットを飼っていないか)、呼吸器以外の症状の有無
医師による診察
ばち指、聴診器での呼吸音の確認、その他の所見
血液中の酸素量
動脈血液ガス、パルスオキシメーター
血液検査
血清マーカー(KL-6, SP-D)など
画像診断
胸部CT写真
肺生検
肺の一部を検体として切り出して、顕微鏡で観察します。最近では、患者への負担が少ない胸腔鏡下肺生検が主流です。
特発性肺線維症の確定診断
画像診断で確定できる場合がありますが、専門家による判断が必要です。判断が難しい場合は肺生検を行うこともあります。

検査について

どのような治療法がありますか?

 病気が安定し、進行がゆっくりしている場合には症状に合わせて咳止めなどで治療されることもありますが、無治療で経過をみる場合もあります。数ヶ月ごとに症状が悪化する場合は、ステロイド、免疫抑制薬などが使用されます。治療方針は個々の患者様の状況に応じて決められます。 病気が進行し、酸素が足りなくなった状態では在宅酸素療法などの酸素療法が行われ、必要があれば呼吸リハビリテーションも行われます。さらに心臓が弱った場合は、心不全の治療も行われます。
 症状が進んで、一定の厳しい基準を満たす場合は胚移植の適応もあります。 ステロイドや免疫抑制薬の治療は長期になるため、副作用の対策も必要です。ステロイドは糖尿病、胃潰瘍、骨粗鬆症、免疫力低下に気をつける必要があります。また、免疫抑制薬では、免疫力低下の副作用がみられます。免疫力が低下すると風邪や感染症にかかりやすくなります。

生活上どんな注意が必要ですか?

 特発性肺線維症では風邪の予防、禁煙、規則正しい生活など一般的な日常生活の管理が重要です。
風邪の予防に気をつけましょう!
風邪やインフルエンザをきっかけとして急に悪化することがありますので、体調を崩したり風邪などをひかないように十分に気をつけてください。

●ふだんの生活では、次のことに気をつけましょう。
(1) 人込み(ほこり)を避け、冬はマスクをつけ、帰宅時には「うがい」と「手洗い」を習慣付けましょう。
(2) 寒い季節の儀礼的付き合いは出来るだけ避けましょう。
(3) インフルエンザの予防接種は毎年受けることをお勧めします。
(4) 長時間、飛行機に乗る際にはなるべくマスクをかけましょう。

●タバコは必ず止めてください!
たばこは肺に悪いだけでなく、心臓病の危険因子でもあります。糖尿病や高血圧などの生活習慣病を合併すると、治療薬を使いにくくなるので気をつけましょう。

●運動をしましょう!
天気の良い日は、散歩程度の無理のない運動をしましょう。

●少しでも悪化の徴候が認められたら、できるだけ早く病院に来てください。
(1) 運動したときや、動いたときに息切れや呼吸困難を強く感じる。
(2) 咳がいつもよりよく出る。
(3) 痰の色が黄色や褐色で、量も多い。
(4) 脈拍がいつもより速い、動悸がする。
(5) 顔や足がむくんで、急に体重が増える。
(6) 唇や爪の色が紫色になる。
(7) 体が熱っぽく感じられる。

当院の取り組み

治療方法について

 特発性肺線維症などのびまん性肺疾患に関しては、厚生労働省のびまん性肺疾患研究班のメンバーとして活動し、さらに「厚生労働科学研究事業 特発性間質性肺炎の画期的治療に関する臨床研究」班に参加するなど、多くの研究実績があげています。多くの症例経験から、難病で判断が比較的困難な本疾患に対して、より適切な診断と治療を行っています。現在、特発性間質性肺炎の難病認定患者 名の診療を行っています。急性増悪などの重症の急性呼吸不全に対しても、最新の呼吸管理や治療法を駆使して治療にあたり国際水準以上の成績をあげています。治験も行っております。

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