COPDについて
- COPDとは
- どのような治療方法がありますか
- 当院の取り組み
慢性閉塞性肺疾患(COPD)とは?
COPDとは慢性閉塞性肺疾患(Chronic Obstructive Pulmonary Disease)の略で、主にタバコが原因で、空気の通り道である気道が細くなったり肺胞(肺を構成しているやわらかい小さな袋)がこわれて、空気の流れが悪くなる病気です。そのため、息がはきにくくなり呼吸困難を自覚します。一般的に、症状は少しずつ進行していきますが、中には、一過性の気道収縮をきたして発作性に呼吸困難が生じる場合があります。
どのような症状が起こりますか?
はじめは咳や痰、坂道や階段の上り下りでの息切れが認められます。進行すると少し動いただけでも息切れを感じるようになります。
どのような経過をたどるのですか?
進行には個人差がありますが、呼吸困難はゆっくりと数年の経過で進行します。なお、風邪をひいたことをきっかけとなって急速に悪化すること(“急性増悪”と呼びます)があり、注意が必要です。
どのような検査が必要ですか?
咳や痰があったり、労作時に息苦しくなるような場合には呼吸器の病気が疑われます。呼吸機能検査(スパイロメトリー)により気流制限を測定することにより診断されます。胸部レントゲンは、軽症ではほとんど異常を認めません。
治療方法について
どのような治療法がありますか?
治療法は、病気の重症度により段階的に治療を追加し強化していきます。まず、禁煙などの危険因子の回避やインフルエンザワクチン接種はすべての段階で必要です。軽症では、短期間作動型の気管支拡張薬を症状が出たときに使用します。中等症以上では、1つまたはそれ以上の長期間作動型気管支拡張薬の定期的治療やリハビリテーションが推奨されます。重症以上では、急性増悪を繰り返す場合は吸入ステロイド薬が使用されます。病気が進行し、酸素が足りなくなった状態では在宅酸素療法などの酸素療法が行われ、必要があればマスクによる人工呼吸の適応を検討します。症状が進んで、一定の厳しい基準を満たす場合は、外科的治療や肺移植の適応もあります。
生活上どんな注意が必要ですか?
COPDでは、風邪の予防、禁煙、規則正しい生活など一般的な日常生活の管理が重要です。 風邪の予防に気をつけましょう! 風邪やインフルエンザをきっかけとして急に悪化することがありますので、体調を崩したり風邪などをひかないように十分に気をつけてください。
●ふだんの生活では、次のことに気をつけましょう。
(1) 人込み(ほこり)を避け、冬はマスクをつけ、帰宅時には「うがい」と「手洗い」を習慣付けましょう。
(2) 寒い季節の儀礼的付き合いは出来るだけ避けましょう。
(3) インフルエンザの予防接種は毎年受けることをお勧めします。
(4) 長時間、飛行機に乗る際にはなるべくマスクをかけましょう。
●タバコは必ず止めてください!
たばこはあなたの病気の原因です。喫煙を続けると肺機能がどんどん悪化しますが、禁煙により悪化のスピードが遅くなることが解っています。また、肺に悪いだけでなく、心臓病の危険因子でもあります。
●運動をしましょう 天気の良い日は、散歩程度の無理のない運動をしましょう。
●少しでも悪化の徴候が認められたら、できるだけ早く病院に来てください。
(1) 運動したときや、動いたときに息切れや呼吸困難を強く感じる。
(2) 咳がいつもよりよく出る。
(3) 痰の色が黄色や褐色で、量も多い。
(4) 脈拍がいつもより速い、動悸がする。
(5) 顔や足がむくんで、急に体重が増える。
(6) 唇や爪の色が紫色になる。
(7) 体が熱っぽく感じられる。
当院の取り組み
禁煙、薬物療法に加え、呼吸リハビリテーションを積極的に行い、週1回のカンファレンスにより包括的リハビリテーションを実践しています。包括的リハビリテーションとは、単に理学療法を意味するのではなく、種々の医療介入を多職種により統合的に行うことを意味します。当院では、医師、看護士、理学療法士、栄養士、ソーシャルワーカー、在宅医療への介入が必要な場合は訪問看護士なども含め、連携のとれた介入を行っております。急性増悪においては、積極的に(一般的なチューブによる呼吸管理でない)マスクによる人工呼吸管理を行っています。マスクによる呼吸管理は、COPDの急性増悪においては、挿管を回避し救命率を上げる治療法として認識されていますが、当院では10年以上前からこの呼吸管理法を導入し、全国でも屈指の症例経験数を誇っています。当院では、COPD急性増悪におけるマスクによる呼吸管理における挿管回避、救命率は90%を越え、世界水準以上の成績です。治験も行っております。