血液内科の概要と特色
血液内科は、平成19年10月に新設された最も新しい診療科です。主に白血病や悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群などの造血器由来の腫瘍性疾患や、再生不良性貧血、特発性血小板減少性紫斑病などの血液疾患の診療を担当しています。
血液の病気というと、芸能人やテレビドラマで取り上げられる事が多いためか「白血病」のイメージが強いのではないでしょうか?俳優の渡辺謙さんや歌舞伎の市川団十郎さんなど何故か有名人も多いようです。白血病といえば「不治の病」という印象を強く持っておられる方が多いと思います。確かに20~25年前には有効な抗癌剤も少なく、血液疾患の多くは治すことが難しい病気でした。しかし、こうした状態に立ち向かうべく多くの研究者によって新しい抗癌剤の開発・研究が盛んに行われてきました。最近の数年間でも、悪性リンパ腫に対する「リツキシマブ」、多発性骨髄腫に対する「ボルテゾミブ」、慢性骨髄性白血病に対する「イマチニブ」など、分子標的治療薬といった新しい画期的な抗癌剤の登場がありました。血液の病気への抗癌剤治療は、もっと安全で効果の高い治療を目指して大きく様変わりしてきています。
また治療法も最近の数年間で大きく変わってきました。血液中の幹細胞(白血球や赤血球の元になる細胞)を利用した幹細胞移植の進歩により、かつては治療が難しかった高齢者や一部の悪性リンパ腫、白血病などに対しても、自家末梢血幹細胞移植や臍帯血移植といった治療が日常診療において盛んに行われるようになって来ています。
血液の病気は、高齢化社会や生活の洋風化、また診断技術が進んだことによって、近年では悪性リンパ腫や骨髄腫といった病気が増えてきています。より多くの方に治療が必要になってきています。血液の病気は特殊なため、専門性が高く治療には無菌治療室(クリーンルーム)を始め特別な設備や薬剤が使われます。他の病気に較べて強い抗癌剤を使うため、入院での治療がほとんどになります。尾張地域では市民病院などの中核病院でも、血液内科の専門医が常勤していなかったり無菌治療室を持っていない病院も多くありました。今までは、そうした施設では設備の整った名古屋市内の病院へ転院をお願いしている状況がありました。
公立陶生病院は今、病院をあげて「がん診療」に力を入れています。平成18年11月からは、尾張東部の「地域がん診療連携拠点病院」に指定され、がん診療における中心的・指導的な役割を担っています。血液内科では、尾張東部地域の血液診療の拠点として無菌治療室など整備を進めています。地域に密着した身近な病院でありながら、がん診療拠点病院としての高度な先進医療を提供できる体制を目指しております。
血液内科の外来は、火曜、金曜に一般外来と木曜に御紹介患者用の診察枠を設けております。血液疾患の特殊性から緊急の対応を要する事もありますので、お急ぎの場合やセカンドオピニオンを御希望の際などには曜日に関わらずご相談下さい。