診療科・部門

苦痛の少ない検査で正確な診断を行い、
先進的で患者さんに優しい治療を提供します。

外来担当医表

受付時間
8:30~11:30

再診 黒岩 小島 黒岩 河邉 竹中
再診 滝川 小屋 田ヶ原 山本 小崎
再診 横井 西川

再診 黒岩
(紹介患者外来)
(要予約)

※午後の再診は予約が必要です。

特長

  • 食道、胃、十二指腸、小腸、大腸などの消化管や肝臓、胆管、胆嚢、膵臓など多くの臓器の検査、治療を行っています。
  • 敬遠されがちな内視鏡検査の苦痛を減らすため、経鼻内視鏡検査やリカバリー室を備えての鎮静下での検査などを行っています。
  • 拡大内視鏡検査や超音波内視鏡検査など最新の機器を用いて正確な診断を心がけています。
  • 外科とも密に連携し、患者さんにとって最適な治療を提供します。
  • 夜間の吐血、下血、急性腹症など緊急時にも迅速に対応しています。
  • 肝機能障害、ウイルス性肝疾患などの肝疾患について幅広く対応しています。
  • 抗がん剤は外来治療が中心で、副作用に最大限配慮し、最新の薬剤を使用して行います。

当院の消化器内科は消化器疾患全般にわたり診断・治療を行っています。

消化器内科は、食道、胃、小腸、大腸、肝臓、胆嚢、膵臓といった食べ物の消化吸収に関連する臓器の疾患を診療する内科です。当科では各疾患の診療ガイドラインに準拠した診断・治療をめざしています。がんなどの治療に関しては、消化器内科だけでなく当院外科とも検討したうえで最適な治療方針を提案できるよう連携しています。
患者さんにより精密な検査・治療を受けていただくために、最新の高画質内視鏡を用いています。また、より楽に検査を受けていただくために、最新の経鼻内視鏡や鎮静剤を適宜使用しています。リカバリーベッドを用意しており、検査後の通院患者さんがそちらで休憩していただくことも可能です。

また、緊急入院が必要な患者さんには、救急救命センターやICU(集中治療室)とも連携し24時間対応しており、地域医療に貢献しています。吐下血や胆管炎など緊急内視鏡検査を必要とする患者さんに対しては救急救命センター内でも内視鏡検査が行える設備を有しています。救急救命センター内には内視鏡専門の看護師が常駐しており、より迅速に検査治療できることは当院の大きな強みです。

代表的な疾患・治療

食道がん、胃がん、大腸がんの早期発見に努め、積極的に内視鏡治療を行っています。早期がんに対してはESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)を行っており、安全かつ正確な治療を心がけております。内視鏡治療が困難な患者さんには、外科手術や化学療法(抗がん剤)を行っています。大腸ポリープに対しては、患者さんのニーズに合わせて日帰りまたは入院での内視鏡切除の選択が可能です。
消化管のがんや潰瘍による狭窄、過去の手術による狭窄に対しては、適応を判断した上で外科手術に比べより侵襲の少ない内視鏡的にステント留置やバルーン拡張術を行っています。ピロリ菌陽性患者さんには除菌治療を行い、胃十二指腸潰瘍の再発や胃がん発生の低下を目指しています。GERD(胃食道逆流症)に対し各種投薬を行い、より早期の症状改善をめざしています。近年増えてきている、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病)に対しては従来の薬剤、血球除去療法に加え、近年登場してきた各種生物学的製剤を安全に導入しております。小腸疾患も近年発見が増えてきており、侵襲のほとんど無いカプセル内視鏡検査が診断に役立っております。
GIST(消化管間葉系腫瘍)に対しては外科と合同で手術を行っており、内視鏡(消化器内科)と腹腔鏡(外科)両方を用いて胃の内側と外側から病変を確認・切除を行っています。両者を組み合わせて行うことでより大きく胃を温存することができるため、患者さんのQOL(Quality of life:生活の質)の向上に役立てています。

胆道領域の良性疾患は、胆石が原因となる急性胆嚢炎、急性胆管炎が主な疾患です。胆道系に侵入した細菌は毒素を産生することが多く、時にショック状態に陥るため、細菌でいっぱいになった胆道の圧を一刻も早く下げてあげる治療が必要です。胆嚢炎には、超音波エコーを使って、胆嚢内に針を穿刺し、胆嚢内の細菌を吸引排出し治療します(PTGBA)。胆管炎には、胃カメラを使って胆管内にチューブを挿入して(ERBD)圧を下げる治療をします。
状態が落ち着いた小さい胆管結石は、胃カメラから挿入した電気メスで胆管出口に小切開を加え、結石を細かく砕いて内視鏡で取り出します(EST)。しかし2cm近くになる大きな結石に対しては、複数回の砕石が必要となることもしばしばありました。最近は胆管出口に小切開を加えた後に、ラージバルーンで開口部を大きく拡張するEPLBDを導入し、大きな結石も1回の処置で砕石可能となりました。胃カメラによる治療は苦痛を伴うため、視野を確保するためにエアーを送気しますが、おなかの張らないようにする目的で、当院では二酸化炭素を使用して行います。また、主に2種類の鎮静注射剤を使用して、知らない間に治療が終了することをめざしております。

急性膵炎は、重症に陥ると命にかかわることのありうる疾患です。激しい痛みで来院され、ショック状態に陥ることもあるため、初期治療では大量の点滴や薬剤を使用します。結果、肺、心臓、腎臓に対しても負担がかかるため、消化器内科だけでなく内科領域の総合治療能力が必要となります。当院では充実した設備を備えた集中治療室にて、集中治療医や他科と緊密に連携を取りながら、最善の治療をめざしています。

胆膵領域のがんは、唯一の根治的治療法である外科手術が可能な時期での早期診断が難しいこと、病状の変化が大きく適切な化学療法を行いづらいこと、診断時や経過中にしばしば出現する黄疸に対する迅速な対処が必要なこと、などから、知識・経験・技術・迅速な対応のすべてが重要です。
精度の高い画像診断を目標に、通常の腹部超音波検査、CT、MRIに加え、造影超音波検査、超音波内視鏡検査や内視鏡的逆行性胆管膵管造影検査(ERCP)を行っています。近年、内視鏡的超音波ガイド下穿刺吸引検査(FNA)などの特殊検査にも積極的に取り組んでいます。内視鏡先端に非常にコンパクトな超音波エコーがついており、チャネルから出てくる穿刺針をリアルタイムで超音波画像内に観察できることにより、生検診断および治療が可能となりました。具体的には食道や胃壁を貫いて膵腫瘍、上部消化管周囲のリンパ節や腹腔内腫瘍などの生検をしたり、急性膵炎後の感染嚢胞に対しての経胃的にドレナージチューブの留置が可能となり、診断のみならず治療の幅も広がってきました。
さらに症状改善を目的とした悪性胆道狭窄に対する内視鏡治療(ステント留置術)も行っています。

肝臓領域では日本肝臓学会、日本肝癌研究会、厚生労働省などのガイドラインなどに基づき診断や治療を行っています。B型肝炎に対して核酸アナログ治療やC型肝炎に対して高い治癒効果のある抗ウイルス治療について積極的に行っています。内服薬で副作用も少なく、外来にて治療可能です。また最近では、食事事情の変化により脂肪肝や非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)が注目を集めています。NASHは進行して肝硬変、肝細胞がんの発生に至ることがあり、特に肝細胞がんに占める割合が増加傾向にあります。生活指導を含めた総合的な治療により悪化を防止し、肝硬変への進展や肝細胞がんの発生を抑える努力をしています。
肝細胞がんに対してはラジオ波熱凝固療法、肝動脈化学塞栓療法、分子標的治療薬による全身化学療法等にて治療を行っています。肝硬変の合併症である食道静脈瘤に対しては内視鏡的治療(内視鏡的静脈瘤結紮術や内視鏡的静脈瘤効果療法)をしています。

消化器がんで手術療法や内視鏡治療が困難と診断された患者さんには、化学療法、放射線治療、緩和療法など病態に応じて治療を行っていきます。消化器内科での化学療法はガイドラインに基づき化学療法管理委員会にて審査、承認されたレジメンを使用しています。レジメン内容は化学療法管理委員会レジメン一覧を参照してください。化学療法を開始する際は基本的に入院での導入を行います。入院中に重篤な副作用などないことを確認し外来治療に移行していきます。化学療法内科、がん診療部等の各部署と連携し治療を行っていきます。
進行した消化器がんの患者さんに対して、がんの進行に伴う癌性疼痛や消化管閉塞、胆管閉塞などさまざまな症状への緩和医療を緩和ケア内科と連携して行っています。

神経疾患や加齢による嚥下機能低下で経口摂取が困難となった患者さんに胃瘻造設術(PEG)を行っています。

診療実績

令和2年度令和3年度令和4年度
上部内視鏡件数4,0774,2694,394
超音波内視鏡下穿刺吸引法件数(EUS-FNA)211432
上部消化管止血術件数157179178
内視鏡的食道静脈瘤硬化療法・結紮術(EIS・EVL)件数373116
下部内視鏡件数2,5442,6072,642
大腸ポリープに対する内視鏡的切除術(ポリペク・EMR)件数1,2531,3471,309
早期消化管悪性腫瘍(胃・食道・大腸)に対する内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)件数726366
消化管悪性腫瘍(食道・胃・十二指腸・大腸)へのステント留置件数634337
内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)件数409484415
内視鏡的胆道ドレナージ(EBD・ENBD)件数159171136
胆道悪性腫瘍へのメタリックステント留置術件数383829
内視鏡的乳頭括約筋切開術・バルーン拡張術(EST・EPBD)件数108224136
肝臓がんに対するラジオ波焼灼療法(RFA)件数17204
肝臓がんに対する肝動脈化学塞栓療法(TACE)件数453822

医師紹介

消化器内科主任部長

黒岩 正憲

くろいわ まさのり

指導医

  • 日本内科学会指導医
  • 日本消化器内視鏡学会指導医
  • 日本消化器病学会指導医
  • 日本カプセル内視鏡学会指導医
  • 臨床研修指導医講習会受講済

専門医

  • 日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医
  • 日本消化器病学会消化器病専門医
  • 日本カプセル内視鏡学会専門医

認定医

  • 日本内科学会認定内科医
  • 日本がん治療認定医機構がん治療認定医
  • 日本医師会認定産業医

その他

  • 緩和ケア研修会修了

消化器内科部長

竹中 宏之

たけなか ひろゆき

指導医

  • 日本内科学会指導医
  • 日本消化器病学会指導医
  • 臨床研修指導医講習会受講済

専門医

  • 日本内科学会総合内科専門医
  • 日本消化器病学会消化器病専門医
  • 日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医

認定医

  • 日本内科学会認定内科医
  • 日本カプセル内視鏡学会認定医

その他

  • 緩和ケア研修会修了

消化器内科部長

河邉 智久

こうべ ともひさ

指導医

  • 日本内科学会指導医
  • 臨床研修指導医講習会受講済

専門医

  • 日本消化器病学会消化器病専門医

認定医

  • 日本内科学会認定内科医

その他

  • 緩和ケア研修会修了

消化器内科部長

小島 久実

こじま くみ

指導医

  • 日本内科学会指導医
  • 臨床研修指導医講習会受講済

専門医

  • 日本内科学会総合内科専門医
  • 日本消化器病学会消化器病専門医
  • 日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医

認定医

  • 日本内科学会認定内科医

その他

  • 緩和ケア研修会修了

消化器内科部長

小屋 敏也

こや としなり

指導医

  • 日本内科学会指導医
  • 臨床研修指導医講習会受講済

専門医

  • 日本内科学会総合内科専門医
  • 日本消化器病学会消化器病専門医
  • 日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医
  • 日本肝臓学会肝臓専門医

認定医

  • 日本内科学会認定内科医

その他

  • 緩和ケア研修会修了

消化器内科医員

滝川 一徳

たきかわ かずのり

専門医

  • 日本専門医機構認定内科専門医

消化器内科医員

山本 崇史

やまもと たかし

消化器内科医員

小崎 朋子

こさき ともこ

専門医

  • 日本専門医機構認定内科専門医

その他

  • 緩和ケア研修会修了

消化器内科医員

田ヶ原 俊徳

たがはら としのり

その他

  • 緩和ケア研修会修了

消化器内科医員

横井 一輝

よこい かずき

消化器内科医員

西川 剛司

にしかわ たけし